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物語や歌

C148. 大津波を予知して村を救ったキツネ神

あらすじ

 

 ある村の上手に神の住む美しい小山がありました。どんな神様のお住まいであるかはわりませんでしたが、村長がその山へ祈りつつ暮らしていました。
 ある時キツネがその山のてっぺんから鳴きながら下りて来て、村長の家の高い祭壇と低い祭壇の間に来て、神窓の方に顔を向けて頭を上げ下げしながら鳴きました。やがて山の方へ鳴きながら帰って行き、山のてっぺんで鳴き声はしなくなりました。村長は、神が何かを知らせに来たに違いないから、キツネが帰った方向へ逃げようということになりました。そこで村中の人たちが大勢で山へ登って逃げて行きました。途中で狩小屋を作り、神へ祈りを捧げて泊りました。

(以下、村長が「私」)
 私は寝ずにいたのですが、夜明け頃に少し眠ると夢に神のような男性が出て来てこう言いました。「私は昨夜キツネに化けて祭壇のところまで行った神である。人間のようにしゃべれるわけではなかったが、おまえは精神が良いので、ただ鳴き声を聞いただけでここへ逃げて来た。知らせようとしたことは、山津波と海津波がおまえたちの村でぶつかることになっているということだ。日中は静かだが、今夜からは地震と地鳴りのような音がするだろう。おまえは木幣を作って神に助けを求めて祈りなさい。そして木幣と供物を山津波、海津波に投げたなら水は引いて行くだろう。村は流されて跡形もなくなってしまっているけれど、人間は生き残るのだ。これからは私に祈りなさい」。そこで私は言われた通りにし、村人たちに命じて木幣を作りました。そしてその晩には神が言った通りに地鳴りのような音がして、地震のように地面が揺れました。木々が流されてぶつかり合う音がすさまじく、山の中腹まで水が上がって来たので驚きました。仲間たちと一緒に踏舞をして祈り、今までこれほどの尊い神を祭ることをしなかったのを詫び、これからは祈りを欠かしませんと言いました。するとやがて水は引いて行き、もとの陸地が姿を見せました。そこに1軒、2軒と家を建て、新しい村を作りました。そしてそれからは水の神に祈り、獲物もたくさんとれて何不自由ない暮らしをし、祈るときは何よりも先にキツネに化けて津波を知らせてくれた山の神に祈りました。
 子供たちには、神に祈ることを忘れないようにと言いおいて死んでいきますと、ある男が物語りました。

 

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